2015.11 バンコク一人旅中に入院しました。
不謹慎ながらタイリピーターの間では、一度はバンコクの病院に入院してみたら良いと言う話しをよく聞きます。
なぜかと言うと、旅行者が入院する病院のレベルは日本の病院よりはるかに居心地が良く、至れり尽くせりのサービスだからと言うもの。
タイリピーターの友人らからも経験談として、自分が予約したホテルより良い部屋だったとか、病院食が美味しかったとか、看護師さんがきれい、などなど良い話しか聞きません。
そんな折、突然一人旅中に入院するというアクシデントに見舞われた時の事をお話ししたいと思います。
病院に入院することになった原因と思われること
思い当たるのは、バンコクで有名な一流スパでの施術の直後に感じたなんとなく目が霞むなと言う違和感のみで他に思い当たることはありませんでした。
翌朝、両目の激痛でほとんど目を開ける事が出来ない状態になっていました。
=備考=
原因がこのスパの施術に起因するか否かは結局のところはっきりしない為、ここのスパに今回の件についてはお話していませんし、今後もするつもりもありません。
また機会があれば、ここで施術を受けたいと思えるほど一流のスパであることには変わりないと思います。
保険会社とのやりとり
海外旅行保険は、クレジットカード付帯の物を利用するため、毎回別途契約はしておりません。というのも、私のクレジットカードに付帯されている保険の内容は、そこそこ充実したものなので、わざわざ他のものを契約する必要がないと判断したためです。
朝7:00
まずは、クレジットカード会社の保険担当セクションへ電話。
万が一のためにクレジットカードのカスタマーサービスの電話番号をiPhoneに入れていたので、目が見えなくてもSiriで掛ける事が出来ました。
専門デスクの担当者はとても親切で、一人旅で心細い状況を和らげるよう親身になってくれたのは本当にありがたかったです。
今回のアクシデントは、直接的原因ははっきりしないものの保険求償できるという判断が下されました。
そこでまず、①自分で全額お金を払う。②キャッシュレスサービスを利用する。のどちらかの選択をします。私は、②キャッシュレスサービスを選びました。これは、掛かった保険求償部分費用は支払い不要となります。
次に、病院の希望を聞かれました。私は、ホテルの近くで、日本人専門デスクまたは、通訳サービスのあるところという希望を伝えました。
大した怪我や病気でなければそこまで言わなかったと思いますが、この時は失明するのではないかと不安だったので、微妙なニュアンスをきちんと伝えるためにも通訳が必要と感じたからです。
すると保険会社担当者の方から、日本人専用デスク及び通訳がいるバムルンラード・インターナショナル病院にすぐタクシーで向かう様言われました。
病院に行く
朝8:45
ホテルのベルボーイに「バムルンラード・インターナショナ病院に行くのでタクシーを捕まえて。後、私入院するかも。もし何かあったらバムルンラード・インターナショナル病院バムルンラード・インターナショナル病院に連絡して。」とお願いし、病院に向かいました。
ちなみに持ち物は、クレジットカード、パスポートなどの貴重品のみ。その他のものは持って行きませんでした。
この病院は、バンコクで一番、ということはタイで一番高い超高級病院とのこと。タクシーが入り口に着くや、ホテルでいうところのベルボーイの様な人が「どうしましたか?」と声をかけて来ました。そこで「目が痛くて開かないし、見えない。日本人専用デスクに連れてって。」とお願いしました。
すると、スタッフと車椅子をすぐ呼んでくれて別棟にある日本人専用デスクまで連れて行ってくれました。
専用デスクには、すでに保険会社から私が行くこと、キャッシュレスサービスを利用することが伝わっており、手続きはスムーズに行われました。
診察開始
朝9:00
一番に診察をしていただきました。先生はすごい美人な女医さん。(2日目の診察でわかったのですが。笑)綺麗な英語を話しとても優しかったです。先生曰く、私のこの目の激痛は、状況から言って昨日のスパでフェイシャルをしたときに、何かの拍子で目に異物が入ってしまい、それが角膜を傷つけ痛いのだという診断でした。また、この角膜の傷は、目を1日閉じていれば回復し、痛みもなくなるので、入院をして安静にしてほしいと勧められました。
この時点で、明日には治る、失明しないとわかったため、急に不安がなくなり、このバンコク1の病院に入院できるとワクワクしている自分に気がつきました。(苦笑)
入院する
朝10:00
入院手続きはいたって簡単。口頭で大部屋がいいか個室がいいか聞かれました。この時は、大部屋ならすぐに入れるが、個室だと、今入っている人が午後まで退院しないのでしばらく別室で待つことになります。また差額ベット代は自腹になるが、カードでの支払い可能。金額は7000円程度との説明を受けました。
日本だったら大部屋の方がいいのでしょうが、両目見えないということは貴重品の管理に不安を感じたため、個室を希望と回答しました。
すると朝から何も食べていなかったのを察したスタッフ。「サンドイッチと飲み物を買ってこようか?」と言ってくれました。確かにすごくお腹が空いていたので、お願いすると数分でスターバックスの袋を抱えて戻って来ました。
なんとこの病院の中にはスターバックスが入っているではありませんか!立て替えていただいたお金を返してその場で食べながらお部屋が開くのを待っていました。
午後13:00
お部屋が空いたので、最初に到着した棟へ車椅子で移動。お部屋は9階の広い個室。ここで、連れて来てくれたスタッフとはお別れし、今度は女性の看護師助手の様なおばさまにバトンタッチ。
この方のお仕事の内容は、トイレ補助だったり、食事を食べさせてくれたり等患者の身の回りの世話をすることの様です。
私は両目は眼帯で塞がれているため、用意されていた病院専用のパジャマに着替えることができず、お手伝いしていただきました。
このパジャマはとても万能で、下のズボン部分は、どんな体格の人でも対応できる様巻きスカートの様になっています。おかげで目の見えない私は一人で着ることができませんでした。
個室は、トイレ、シャワー、冷蔵庫(中の水・ジュースは飲み放題)、wifi (フリー)電子レンジ、ソファー、ダイニングテーブル、金庫、クローゼットが完備されていて本当に噂通り、4星ホテルと大差ない設備となっていました。
話は戻って、この看護助手のおばさまは、英語がまったーーーーーくできません。おまけにとってもお茶目で、この後私と漫才の様なやり取りを繰り返します。
その後、担当の看護婦さんから挨拶と、身長・体重・アレルギー等の確認がありました。看護婦さんは、流暢な英語を話し、1時間おきくらいに様子を見にきてくれていました。
午後18:00
お食事の時間です。運ばれてきたお食事は、「無宗教・日本人食」となっていました。先ほどの看護助手のおばさまが側でお手伝いしてくれます。と、言ってもただ目が見えないだけでほかはいたって元気なため、そばで話し相手になってくれているだけとでもいいましょうか。
でもここでのやり取りが一番楽しかったです。私は目が見えないため、ここに何が乗っかっているか、何品だされているかわからないわけです。
しかしこのおばさま、
お「なんでこんなに美味しそうなお魚食べないの?」と質問してきました。
h 「だって目が見えないから気がつかなかった」と答える。すると、
お「あ、そうだった。」
なんと食事が終わるまでこの繰り返し。(爆笑)「なんでこの美味しそうな果物食べないの?」「なんでお米食べないの?」そして「そうだった。目が見えないんだったね。」
でもこんなやり取りが一人だった不安を和らげてくれ、滅入りそうな気分を明るくしてくれたと思います。
食事が終わると看護婦さんが登場。目の眼帯を外し、目薬をさし新しい眼帯にしてくれました。そして精神安定剤なる白い飲み薬を飲む様に言われました。
この白い薬を飲んだ後数分で眠くなり翌朝まで一気に寝てしましました。
退院する
朝6:00 起床
なぜか6:00ぴったりに目が覚めました。身支度をしていると看護助手のおばさまが登場。朝ごはんを机に置いてくれました。
実は、朝起きぬけにこっそり目を開けて見たら痛くなく、目も見えているのでひとまず安心。ご飯をゆっくり食べ、朝一8:00の診察までお部屋でのんびりしていると、昨日の車椅子係のスタッフのお兄さんが迎えに来てくれました。
朝8:00
診察は、一般の患者さんがくる前に先にやっていただきました。
眼帯を外し、目の検査をすると視力はすごく下がっていましたが、一次的なものであること、傷はだいぶ良くなっていること、処方された目薬をきちんとさすこと、埃っぽいところ、例えばチャトゥチャック市場にはいかないことと言われ、晴れて退院が決まりました。
退院の手続きは、自分で行います。2階の会計に行き部屋番号を言うと診察関係の支払いはキャッシュレスの為不要であるが、個室の差額ベット代約7000円の請求があり、これをカードで決済して完了です。
また、会計が済んだら9階のナースセンターに行く様に言われたので、部屋に戻り荷物をまとめナースセンターへ行きました。
初めてお顔を拝見する看護師さん。声の印象と合ってとても可愛かったです。すると、目薬や、眼帯やガーゼの入った病院の名前入りケアセットを取り出し、一つひとつ使用方法を説明してくれました。
このケアセット、病院の名前も入っているし、入れ物も円柱でかわいいと思いませんか?これを頂いた時になんだか思いがけないお土産をいただいた感じで、ちょっぴりうれしかったりしました。
これで退院です。最後におばさまに挨拶したかったのですが、もうすでに別の患者さんにつきっきりで会えずじまい。結局お顔を拝見していないため、別の日に挨拶に行ってもわからないし残念な気持ちでいっぱいでした。
他にも、入り口のおじさん、車椅子係のお兄さん、通訳さん、日本人デスクの方々、スタバに買い物に行ってくれた人等いろんな方にお世話になったにも関わらず、無事退院できたお礼の挨拶ができませんでした。
まとめ
生まれて初めての入院が、海外しかもひとり旅の最中。またまさかの両目が見えないと言うかなりありえない状況での入院経験となってしまいましたが、一方、自力でなんとかすると言う度胸とやればできると言う自信がついたのも確かです。
冗談で一度は入院してみたいなんて思っていましたが、やはり旅行中は、そんなことにならないのが一番大事なことですね。
仮にこの様なことになったとして、ひとり旅であるがゆえに全て自力で行わないといけないと言うことを常に念頭に置き、事前に対処しておくことは、最低限必要なことではないでしょうか。
この経験を通じて、旅行の下調べ、準備がどれだけ大事かを身を以て感じました。
バムルンラード・インターナショナル病院 について
HPより引用
バムルンラード・インターナショナルは、タイ国のバンコク中心にあり、 国際的に正式認可を受け, 複数分野を専門としている病院です。当病院は、1980 年に設立され、現在、ベッド数 554 床および 30 の専門センター. を持つ、東南アジア最大の私立病院です。バムルンラードは、最新式の 診断器具、治療法、および集中治療の設備のすべてを一ヶ所にまとめた医療センターを提供します。
バムルンラード・インターナショナルは、年間 100 万人以上の患者様のお世話をしております。その内 40 万人が海外からの方です。バンコクや近隣諸国に在住する何千もの駐在者の方、そして世界中 190 カ国からのビジターが治療のために来院されています。病院内では主に英語が使われています。当病院には、海外からの患者様の特別なニーズにお応えするため、医師、看護師、および通訳者の医療連携チームがあります。
HP : https://www.bumrungrad.com/japanese